2013年12月5日

原子力防災計画と原発再稼働審査の安全性問題についての 質問・要望書(12月5日)報告

京都府への要望と報告

2013年12月5日(木)14時〜14時50分
(参加者):児玉正人、アイリーン・スミス、大津定美、小林 舞、藤井悦子
(府の担当者):京都府 府民生活部 防災・原子力安全課
課長 粟津一雄さん、 副課長 上田哲生さん

「原子力防災計画と原発再稼働審査の安全性問題についての質問・要望書」を提出し、

  1. 原子力防災計画について
  2. 再稼働審査の安全性問題について
  3. 原発の地震動の過小評価について

のうち、とりわけ1の部分を重点的に要望し、府の状況について説明を受けた。

原子力防災計画と原発再稼働審査の安全性問題についての 質問・要望書(12月5日)報告

原子力防災計画と原発再稼働審査の安全性問題についての 質問・要望書

 京都府北部6市町と京都市の一部は、大飯、高浜両原発から30キロ圏という至近距離に位置していますが、これら7市町すべてが、毎日新聞の聞き取り調査に対して『原子力災害時に孤立する集落がある』と回答しています。たとえば綾部市は、市民サイドの質問に対して、『府道1号線は、家屋倒壊などによって通行できなくなり、奧神林地区住民は避難できないかもしれない』と認めながら、それでもこれらの市町では避難計画が策定されたことになっています。
 また、避難が優先されるべき妊婦や乳幼児、要援護者の避難計画策定が後回しになっていないでしょうか。

 今年9月に発生した台風18号は、北部の市町だけでなく南方向の避難受け入れ先とされる亀岡市や京都市などにも甚大な被害をもたらし、京都縦貫道や国道9号線、477号線、175号線などの幹線道路やJRは不通となって、原発震災時の避難が本当に可能なのかどうかがリアルに問われることとなりました。
ところが広域避難の調整を行っている関西広域連合は、市民により避難路の検証を繰り返し求められながら、これを行っていません。そして、実は府県レベルや市町レベルでも行っていないという声も聞きます。京都府は実施されているのでしょうか。
 さらに、福井県嶺南地方からの避難民を含めてどこで避難者のスクリーニングを行うのかも未定だと聞きます。このような現状では避難計画ができたとは到底言えません。

 西への避難先とされる兵庫県は、同県のシミュレーションによれば、京都府に隣接する篠山市で、IAEAが定めた安定ヨウ素剤服用基準の3倍を超えるほか、京都府民の避難先の一つとされる神戸市でも高い汚染が予測されています。しかるに、もっと深刻であるはずの京都北部の汚染予測は公開されていません。さらには琵琶湖の汚染や水の確保など、多くの問題に対して府民の不安が解消されないままとなっています。

他方、大飯原発3・4号、高浜原発3・4号の再稼働審査が急ピッチで進められていますが、再稼働審査では、炉心溶融を前提にする等、極めて危険な関電の事故シナリオが審査されています。
これらの問題について、以下の質問と要望を致します。

原子力防災計画と原発再稼働審査の安全性問題についての 質問・要望書